息子と証明した「”最初の相棒”が最強」ということ~ポケモンに学ぶ、”好き”を貫く強さ~

目次

【導入】

この子はちゃんと自分の意思を持つ子だ

と、親なら誰でもそう願うだろう。

でも、もし、周りのみんなが、その『好き』を否定してきた時。あなたは、自分の子供の『好き』を信じて守ってあげられますか?

僕が息子のその小さく、でも誰にも負けないくらい強い「意思」に気づかされたのは、一匹のポケモンのおかげだった。

【第一章:レックウザ、来襲】

「お父さん、レックウザって知ってる?」

数年前、まだ小さかった長男が僕にそう聞いてきた。 それまで電車や恐竜に夢中だった息子の口から、初めて飛び出したポケモンの名前。

正直、その時の僕の心は、完全に「無」だった。「へぇ、まだ流行ってるんだ」くらいにしか、思わなかったのだ。 保育園で友達との会話についていくために、彼は新しい世界に足を踏み入れようとしていた。

その日から僕たちの新しい「交換日記」が始まった。

僕がカントー地方の初代ポケモンたちの物語を話すと、息子は目をキラキラさせてガラル地方やパルデア地方の僕が知らないポケモンたちの話を教えてくれる。

親が子に教えるだけじゃない。子も親の新しい世界の先生になるのだ。 その対等でくすぐったいような関係が、僕はたまらなく嬉しかった。

まだゲームはできなかったから、僕たちは毎晩のように一緒にポケモン図鑑を穴が空くほど眺めた。

【第二章:相棒は、マスカーニャ、君に決めた!】

そんな風に、まだ見ぬポケモンへの想像を膨らませていたある日、息子が通う保育園で、あるゲームが爆発的に流行り始めた。 それが、「ポケモンGO」だった。

保育園の中心にいる子の親がハマったのがきっかけらしく、当然、僕の息子も、

「やりたい!」

と言い出した。 妻と二人で、昔使っていたアカウントを必死に思い出し、ログインしたスマホを息子に見せると、彼は、目をキラキラさせて叫んだ。

「ポケモンが、動いてるー!」

と。 僕たちの、本当の冒険は、ここから始まったのだ。

ポケモンGOにはまり、しばらくが経ったころ、息子にとっての転機は、僕たちの田舎町にポケモンセンターがやってきた日に訪れた。

多分その日、誰よりもテンションが上がっていたのは僕だったと思う(笑)。

僕は妻の呆れる視線を実用性のあるグッズで巧みにかわしながら爆買いをしていた。

(そう、僕も、息子と同じ。お金を渡されると、すぐに溶かしてしまうタイプなのだ。この子にして、この親あり、である。)

そんな僕の横で、息子はぬいぐるみが欲しかったらしい。

「相棒は一匹だけ!」

という妻からの厳しいお達しを受け、息子は何十分も真剣に悩み抜き、そしてたった一匹のパートナーを選んだ。 それが、くさタイプの「マスカーニャ」だった。 理由を尋ねると、彼は少しだけはにかんで、

「なんとなく、強そうだったから。」

とそう言った。

【第三章:フシギダネの、涙】

マスカーニャはその日から、息子の本当の「相棒」になった。 寝る時も保育園に行く時も、トイレに行く時でさえいつも一緒だった。 そんなある日のこと。

息子が保育園から、しょんぼりと落ち込んで帰ってきた。 理由を尋ねると、彼はぽつりぽつりと話し始めた。

「マスカーニャは、伝説のポケモンじゃないから弱いって、馬鹿にされた…」

と。その瞬間、僕の頭の中に遠い昔の記憶が稲妻のように蘇った。 そうだ、僕も子供の頃、大好きだった最初の相棒フシギダネのことを馬鹿にされたじゃないか。

当時大人気だった炎タイプのリザードンに相性が悪くて勝てないと。 悔しくて、でも言い返せなくて一人で泣きそうになったあの日の、僕の小さな背中。でも、僕は、それでも、フシギダネが好きだった。

周りが何と言おうと、僕が最初に選んだ相棒を、信じ続けた。そして、必死に育てて、バトルで勝った時の、あの喜び。 僕は目の前でしょんぼりしている小さな息子と、あの日の小さな僕が完全に重なって見えた。

【最終章:最強の、証明】

僕は息子に言った。

「マスカーニャは弱くない。世界で一番強くてカッコいい。それをみんなに証明しようぜ!」

と。 そこから僕と息子の猛特訓が始まった。 僕たちはポケモンGOで、毎日毎日マスカーニャを育てた。 そして運命の日。息子は保育園の友達とのバトルで見事、マスカーニャで勝利を収めた。

「マスカーニャ強すぎる!」

と友達に言わしめた時の、彼の満面の笑み。 僕は息子の肩を抱いて言った。

「君が信じた相棒は、最強だっただろ?」

と。その時、僕は気づいた。 周りがどんなに伝説のポケモンや人気のポケモンを好きになっても、僕とこの子は、最初に自分の隣にいてくれた「相棒」を誰よりも好きになる。

…そしてその「好き」を信じ抜く強さを持っている。

ああ、こうやって大切な何かが、親から子へと、伝わっていくのかもしれない。

僕は、息子の横顔に、僕と同じ「自分だけの物語」を見つけた、気がした。

あなたの、最初の相棒は、誰でしたか? もし、よかったら、コメントやX(記事の最後に入口があります。)で、教えてくださいね。

僕と息子のそれぞれの「相棒」。世代は違えど、誰よりも強く、誰よりも愛おしい最高のパートナーたち。

私の、X(旧Twitter)では、日々の、もっとリアルな、つぶやきを発信しています!ぜひ、フォローしてくださいね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次