【導入:「公務員って、楽でいいよね」と、よく言われます(が…)】
【警告】この記事は、決してあなたを脅すためのものではない。
これは、かつて僕が、そうだったように、「公務員は、楽で安定している。」という、甘い幻想を抱いて、この世界に、足を踏み入れようとしている、
あなたへ、送る、一冊の、「サバイバルマニュアル」だ。
もし、あなたが、この魔境で”自分”を失わずに生き抜きたいと、思うなら。
僕の、この、失敗の記録を、心して読んでほしい。
【ルール①:地図は、信じるな。】
市役所に入って最初に配属された「総務課 文書法制係」。
前職の会社で「総務課」といえば、備品の発注や経費の精算をしてくれる、穏やかな部署だった。(ラッキー!楽な部署かも!)そんな僕の淡い期待は、配属初日、上司の一言で木っ端微塵に砕け散ることになる。
「ところで君、条例と規則の違いって分かる?」
…分からない。全く分からない。
昔の公務員試験には、法律などの「専門試験」が必須だった。
しかし、僕が受けた頃は、民間企業への就職を目指す人材も併願しやすいように、SPIのような、民間企業で広く使われているタイプの筆記試験が導入されていたのだ。
当然、化学一筋で、法律を避けて生きてきた僕に、そんな知識は、あるはずもなかった。
そんな僕が放り込まれた「法制係」は、市役所の中でも「エリート」が集まる部署。
先輩たちは自分にも他人にも厳しく、毎日が知らない言葉と叱責の嵐だった。
僕たちの仕事は、他の課が作った条例や規則などの案を、法的な矛盾がないか、チェックすること。
だから僕は、法律だけでなく、市役所の全部署の仕事をゼロから理解しなければならなかった。
そして、自分より知識も経験も、役職も上の人たちに、「ここ、間違っていますよ」と指摘しなければならない。時には、
「新人のくせに何が分かるんだ!」
と恫喝されることもあった。
法律も知らなければ、他の課の仕事も知らない
。入ったばかりで、気軽に聞ける人もいない。僕にできたのは、ただ調べることだけだった。
上司に怒られ、他の課に怒られ、泣きそうになりながら、僕は必死に法律を勉強した。
気づけば月の平均残業は80時間を超え、ピークの月は200時間を軽く突破していた。あの頃は、自分が起きているのか寝ているのかも、よく分からなかった。
ただ、一つだけ言えることがある。
あの時の経験は地獄だった。本当に、死ぬかと思った。
でも、あの地獄があったからこそ、僕は法律が読めるようになり、市の全体の仕事の流れが見えるようになった。
あの時の無駄に思えた努力が、今の僕を、少しだけ強くしてくれている。それもまた、紛れもない、事実なのだ。
- 最初の配属先がどんなに地獄でも、決して腐るな!!
- その経験は、必ず未来の君を守る最強の「鎧」になる。
【ルール②:”猿山のボス”を、見極めろ。】
そんな地獄のような日々を1年乗り越えた僕に、公務員としての、最初の武器が与えられる。それは「異動」という名の、希望だった。
異動してきた僕が最初に感じたのは、
「あれ…?時間の流れが、とても緩やかだ」
ということだった。僕がいたフロアは、常に誰かが走り回り、
「定時なんて、第二ラウンド開始のゴングだろ?」
という戦場だった。でも、ここは、違う。職員たちは、のんびりと、意味があるのか分からない作業をこなし、すぐに、タバコを吸いに行ってしまう。
その中心にいたのは、年下なのに、この部署に長くいるというだけで偉そうにしている、猿山のボス。そして、そのボスに媚びへつらう、腰ぎんちゃくの係長。 僕は、一瞬、心が揺らいだ。
「ああ、これに染まってしまえば、人としては終わるかもしれない。でも、そうすれば、僕が夢見た、穏やかで、楽な、公務員の姿になれるのかもしれない」と。
でも、総務課の地獄は、僕の心に、決して消えないものを、刻み込んでいた。
それは、どんな理不尽な環境にいても、決して、汚れた方には染まらない、という「核」のようなものだった。
僕が、誰もやりたがらない「5か年計画の改定」という、重たい仕事を押し付けられるのは、当然の帰結だったのかもしれない。
総務課時代にお世話になった、優秀な係長に助けてもらいながら、僕は、その仕事を、淡々と、こなした。
それが、猿山のボスの、逆鱗に触れたらしい。難易度の高い仕事を、自分に泣きつくこともなく、飄々とこなしてしまった僕が、許せなかったのだ。
僕が作る書類に、何度も、くだらない難癖をつけてくる、陰湿な嫌がらせが始まった。
でも、不思議と、心は、折れなかった。総務課の地獄に比べれば、猿山の嫌がらせなんて、可愛いお遊戯みたいなものだったからだ。
そうして、1年が経った頃。
僕は、あのデタラメだった補助金のルールブックを、こっそりと、古巣である総務課に相談し、また、めちゃくちゃ怒られ、めちゃくちゃ調べながら、完璧なものに改定した(もちろん、正規の手続きは踏みましたよ!笑)。
すると、僕のその一連の仕事ぶりを見ていた、あのパワハラ補佐が、僕に言った。
(※この補佐、実は、僕の育休を阻んだ、あの補佐と同一人物です。詳しくはこちらの記事で!)
「計画を改定できるのか。じゃあ、来年から、もっと上位の計画を担当しろ。係異動だ!」
こうして、僕は、猿山からの脱出には成功した。
でも、僕を待っていたのは、オアシスではなかった。また、新しい戦場が、僕を待っていたのだ…。
でも、僕は、まだ知らなかった。
その、新しい戦場での出会いが、僕の、灰色だった公務員としての景色を、少しだけ、変えることになるということを。
そして、僕が、市役所の中で、たった一人だけ「この人みたいになりたい」と、心から尊敬できる上司と、出会うことになるということを。
次回予告: 次回、僕が、この、地獄のような職場で出会った、たった一人の「本物の公務員」、尊敬する、係長との、物語を、お話しします。 お楽しみに!
- 理不尽な環境に、心を染めるな!!!
- 君だけの「核」を守り抜け。
- 必ずどこかで、君の戦いを見てくれている”本物”の仲間がいる。
【最後のルール:君が戦う、理由を忘れるな。】
ここまで、僕の公務員としての、ドタバタな日常を語ってきました。
では、僕は、公務員になったことを、後悔しているのか? 正直に言えば、後悔する日は、たくさんあります。
高校時代から15年以上も愛し、良いところも悪いところも、たくさん見てきた化学の世界に比べると、まだ、この仕事の「本当の面白さ」を、僕は見つけられていません。
でも、それは、僕がまだ「公務員としては、ひよっこ」だから、なのかもしれない。大好きだった化学と引き換えに、家族との時間を守るために選んだ、この仕事。その本当の価値を、これから、もっともっと、知っていかなければならないと思っています。
では、なぜ、不満だらけの僕が、この仕事を辞めないのか? それは、僕が、この転職で、仕事の楽しさや、やりがい以上に、大切なものを手に入れたからです。
コロナ禍でも、給料は安定的だったこと。家族が、最低限、普通の暮らしができる給与はもらえること。転勤がないから、どんなに忙しくても、愛する家族がいる我が家で、眠れること。
そして、何より、休みが取りやすいから、子供たちの行事には、必ず参加できること。
そう、僕は、大好きだった「化学」という情熱と引き換えに、「家族と、安定的に、一緒にいられる権利」を手に入れた。
それは、僕が、意識的に行った、人生のトレードオフだったのです。 そして、この「トレードオフ」こそが、僕が、株式投資を始めた、本当の、本当の理由です。
この手に入れた「安定」は、僕の家族を守るための、大切な「安全なベースキャンプ」。でも、それは、僕の最終目的地ではありません。僕が始めた「投資」は、このベースキャンプから、いつか、「好きな仕事」と「家族との時間」、その両方を手に入れるための、未来への「脱出路」なんです。 このブログは、僕が、いつか、その本当の自由を手に入れるまでの、長い、長い、旅の記録なのです。
もし今、あなたが僕と同じように、何かを諦めそうになっているなら。
このお城の物語が、あなたの”反撃の狼煙”の小さな火種になれたら、最高に嬉しい。
僕たちの戦いはまだ始まったばかりだ!!(打ち切りエンドじゃないですよ!!)


私の、X(旧Twitter)では、日々の、もっとリアルな、つぶやきを発信しています!ぜひ、フォローしてくださいね!

コメント