【導入:それは、静かな、休日の朝に、やってきた】
休日の朝6時、パパの「二度寝」を阻む小さな訪問者
せっかくの休日。
時計の針は、まだ朝の6時を指している。
僕の隣では、妻も、長男も、すやすやと気持ちよさそうな寝息をたてている。
(ああ、今日は、ゆっくり、眠れる、最高の、一日だ…)
そう、僕が二度寝という最高の幸せに身を委ねようとした、その、瞬間だった。
【第一章:その起こし方は、天使の顔をした罠だった】
4歳息子の「おしっこ」は、壮大な交渉への序章だった
「…お父さん、起きて。おしっこ…。」
僕の体を小さな手で、ゆささと揺り動かす、愛する次男。
もともと、おっとりしていて優しい長男とは、少し違う。
天真爛漫という言葉が、世界で一番似合う、太陽のような男の子だ。
「…んー、仕方ないなぁ。」
僕は、眠い目をこすりながら、彼をトイレに連れていく。
もちろん、この時の僕は、まだ、知らなかった。
この「おしっこ」が、壮大な物語の、ほんの、序章にすぎないということを…。
しおりちゃんわふっ!キャプテン、なんだか、壮大な、冒険の、予感がします…!どきどき…!
【第二章:天才、現る。~断れない、最高の、殺し文句~】
4歳児の交渉術「僕と食べるホットケーキは、最高に美味しいよ?」
トイレを無事に済ませた、次男。
さあ、もう一度、夢の世界へ…。
そう思った僕に、彼はとんでもない提案をしてきた。
「ねえ、お父さん。せっかく、起きたしさ、しろくまちゃんみたいな、ホットケーキ、食べたくない?」



「(きゃー!しろくまちゃんの!それは、食べたくなっちゃいますね…!)」
そうだ。
昨日の夜寝る前に、一緒にあの名作絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』を読んだんだった。
絵本や、歌が大好きな彼のことだ。
きっと、あの最高の焼きたてのホットケーキが、夢にまで出てきたのだろう。
でも、お父さんは、眠いんだ、息子よ…。
「ううん。食べたくない。お父さんは、まだ、眠たいんだ…」
僕がベッドに戻ろうとすると、次男は少しだけ悲しそうな顔で、僕の服の裾を、きゅっと、掴んだ。
そして、僕の目を、まっすぐに、見つめて、こう、言ったんだ。
「…そっかぁ。…でもね、パパ。ぼくと、一緒に食べる、ホットケーキ…。多分、最高に、美味しいよ?」
完敗だった。



「わふっ!きゃーーーーっ! (w>ц<w) 完敗です!それは、100点満点の、最高の、殺し文句ですよ、キャプテンー!」
ああ。自己肯定感を、高く持ってほしいと、毎日、毎日、めちゃくちゃに褒めながら育ててきた。
その、結果が、これか…。
褒め過ぎたか…! 僕は心の中で、嬉しい白旗をあげながら、キッチンへと向かうのだった。
【終章:僕が、本当に、作りたかったもの】
子育てとは「思い出」を焼くこと。眠い朝に気づいた本当の幸せ
キッチンに、甘い香りが立ち込める。
小さな椅子を持ってきた次男が、僕の足元で、一生懸命背伸びをしている。
「パパ、まだ?ぷつぷつ、きたよ!」



「わふっ!絵本と、一緒ですね!美味しそう〜!」
フライパンの上で、生地が可愛くふくらんでいく。 僕の横で、次男は、絵本のセリフを完璧に暗唱しながら、その瞬間を食い入るように見つめている。
焼き上がった一番最初の一枚は、もちろん彼だけの特別なお皿の上へ。
小さな口で一生懸命ほおばる、その幸せそうな顔。
ああ、そうか。
僕はただ、ホットケーキを焼いているんじゃない。
このどうしようもなく愛おしい、休日の朝の最高の「思い出」を、焼いているんだ。
まだ、眠い。今も、眠い。
でも、腕の中の小さな温かい、命の重さに比べたら。
そんなこと、なんだって、我慢できる。
僕のこの眠い目をこすって作ったホットケーキも、君たちを笑顔にしてくれますように。



「絶対に、笑顔に、なってますよ…!最高の思い出のホットケーキです!」




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